なぜ一般客が優良物件に出会えないのか、不動産のプロの視点から解説します。

まずは、物件がインターネットに掲載されるまでの流れについて、仲介会社や管理会社がどのように動くのか知っておくことが、優良物件の情報をいち早く手に入れるためのヒントになります。以下に、売主から依頼を受けてからネット掲載に至るまでの一般的な流れを整理します。

①不動産業者への紹介
まず、不動産会社(仲介会社)は売主から物件売却の依頼を受けると、迅速に購入してくれそうな不動産業者(買取業者)を探します。買取業者は決断が早く、プロなのでトラブルも起きず、手間もかかりません。さらに、リフォームなどを行って再販する際も仲介を依頼してくれるため、仲介会社は売却時と再販時の2回、仲介手数料を得ることができる為です。ここでほぼ全ての「優良物件」は消えます。

②優良顧客への紹介
買取業者が購入しない場合、次に紹介されるのは「優良顧客」です。優良顧客とは、

・誠実でトラブルを起こしたことがない
・可否はどちらにせよ、すぐ決断をしてくれる
・購入資金の心配がない、すでに住宅ローンが通る確証がある

といった特徴を持つ顧客を指します。つまり、優良顧客になることが、未公開物件情報をいち早く得るポイントなのです。

③一般顧客への紹介
優良顧客でも成立しなかった場合、ここでやっと、希望条件に合う一般顧客に順次連絡が行われます。この段階でもまだネットには掲載されていないため、未公開物件として特別感を持たせて案内されます。しかし、もう既に①不動産業者、②優良顧客が手をつけなかった物件です。

④インターネット掲載
上記の顧客層でも売れなかった場合、初めてインターネット上に物件情報が公開されます。具体的には「レインズ」や「athome」などです。すぐに売れる物件であれば、掲載直後から多くの問い合わせが殺到します。ネット掲載時にいかに早く物件を見つけて購入判断をできるかが、購入成功のカギとなります(皮肉です)。

まとめとポイント
物件は、買取業者→優良顧客→一般顧客→インターネット掲載という順番で紹介されていきます。優良顧客になること、または営業担当者と良好な関係を築くことで、ネット掲載前に物件情報を入手できる可能性が高まります。不動産業界では、情報収集のためにもこうした工夫や関係構築が重要となります。

これでもまだ、あなたは自分が優良物件に出会える自信がありますか?

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